闇と光の作曲家・haruka nakamura考察

音楽の話

故郷の夕焼けを表現・生粋のアーティスト”haruka nakamura”考察

この季節の夕日ってなんかいいですよね。

手付かずの一日って感じの朝日も好きだけど、なんか秋っぽい匂いのしてくる夕方がやっぱり好きです。

今日も大好きなアーティスト「haruka nakamura」さんを紹介していきたいと思います。

1982年生まれ。東京在住。少年期に鍵盤、ギターをほぼ独学で学び、2006年より本格的に活動を開始。ソロ活動の他、演奏楽団nicaや自身主催のバンドkadanなど様々な形態での活動を行っている

ニコニコ大百科より

haruka nakamuraの過去・来歴・ドロップアウトした青春時代

まず最初はharuka nakamuraさんの来歴について追っていきましょう。

現在は東京在住で活動しているharuna nakamuraさんですが実は東北の青森県出身なのです。

家にはもともとピアノが置かれていて、5歳の頃に遊びながら好き勝手におもちゃ感覚で鍵盤を触り始めたことが楽器との最初の出会いだった。

独学でピアノが弾けるようになったものの「ピアノは女の子が弾くもの」というイメージと「はるか」という自分のユニセックスな名前も相まって、

恥ずかしがって友達にはピアノの趣味を公にはしませんでした。

そのストレスから中学入学と共に楽器をギターに持ち替えてバンドを始めるnakamura少年。

仲間と共に音楽にのめり込むが高校進学と同時にバンド仲間ともバラバラになってしまい、高校1年の夏には自主的に退学をし音楽の道を志すために東京に出ることを決意します。

haruka nakamura撮影-haruka nakamuraの故郷の風景

西日が見える家に住んでたから、陽が暮れていくのがとてもきれいで、

その風景に似合うような曲を家のピアノで弾いてみたのが音楽制作の原点だと思ってて。

青森から上京してきたのが16歳っていうのが凄いですね。

なかなか決断できることじゃないです。

「青森の風景がきっかけで音楽を作るようになった」

といっているくらい大好きな故郷を離れるわけですから。

上京の理由がharuka nakamuraさんの場合「田舎に退屈していた」といった若者によくあるフラストレーションの類の話ではなく、

あくまで「音楽を続けていくには東京に行くしかない」という当時の状況があったようですね。

上京して音楽系の専門学校にとりあえず入学してみたnakamura青年だったが、この学校もたった1週間で退学することになる。

本人曰く「ここじゃない」と思ったそうだ。

その後は喫茶店などでアルバイトをしながら、ひたすらに楽器の練習に明け暮れる生活が続きます。

この時期にすでに自身の転機になる楽曲のデモ音源の製作も進めていたそうで、1人での楽器を演奏するのにも飽きてくると路上で打楽器を演奏している黒人とセッションをするなどアグレッシブな面もみられます。

もともとコーヒーを淹れることが趣味だったことからカフェの開業を目指し始めるnakamura青年。

今まで作ったデモ音源を音楽生活最後の記念にしようと音楽系SNS「Myspace」にアップロードしたところから劇的に人生は動き始めます。

デビュー・nujabesとの出会いと別れ

「Myspace」のサービスが始まったのが2007年。

そこまでは個人で音楽を作っていてもなかなか顔の知らない第三者に聴いてもらえる機会って作れなかった。

バンドを組んでライブハウスを中心に活動して駅前でライブのビラを配って・・

っていうのが音楽活動の主流だったから、個人での音源製作をしている人たちが日の目を見ることが難しかった時代だった。

まさに過渡期。

音楽配信が個人で出来るようになったことで一気にnakamuraさんの世界が開けた。

どんな経緯であれ音源をネット上に公開されたnakamuraさんの楽曲は自身の思っていた何倍もの規模の反響を生むことになる。

その反響の中のメッセージに憧れだったトラックメーカーの「nujabes」の物があり非常に驚いたnakamuraさん。

内容は一緒に音源製作をしてみたい。というものだった。

next-sharkより

(nujabesに)最初もらったメッセージがたった一言だったんですよ。

「最高のギター弾いてください」ってきて、

「何だろう? これって一緒にやれるってこと?」って。

尊敬していたアーティストから直接メッセージをもらえるだけもすごく嬉しかったろうに、内容が一緒に演ろう!ってことだから本人もビックリしただろう。

まさに現代のシンデレラストーリー。

nujabesからメッセージをもらった後、実際に一緒にセッションを重ねながら作品を作っていた2人だったが、その幻のトラックは完成することなく別れは唐突に訪れる。

nujabesこと瀬葉淳は2010年2月に交通事故により逝去。

まだ36歳だった。

表現としての光と闇・生と死・現在・未来・これから

当時のnakamuraさんの心境を思うと言葉がありません。

僕は正直nakamuraさんのことは知りませんでしたが、nujabesが亡くなったことはすごくショックだったことは覚えてます。

このころは大物ミュージシャンが立て続けに亡くなって日本全体が落ち込んでた時期だった。

キャリア初期の段階で制作途中に共作していた尊敬する人物を亡くすという不幸に見舞われたnakamuraさん。

しかしnujabesと関わりを持ったことで「hydeout productions」(Nujabes主宰のレーベル)関連のアーティストと交流が生まれた事が自分自身のキャリアを助けることになる。

幻のトラックになっていたnujabesとの作品はその人たちの力を借りることで3rdアルバムの「MELODICA」として世に出る事が叶う。

utaitedbより

最初はただ「夕暮れってせつないな」くらいに思っていたのが、

人の死や別れを経験する中で、

陽が昇って沈んでいくというのは、

人が生まれて死んでいくサイクルと同じで、

つまり夕陽が沈んでいく風景を音にするっていうのは、

人生の終わりの情景を音にするってことなんだなって。

ここまでのエピソードを踏まえてnakamuraさんの楽曲を改めて聴いてみると、なぜこんなに音に説得力があるのか分かる気がするんですよね。

ちゃんと制作活動に戻って来れて本当に良かった。

音源を出すにあたって最初から「3枚のアルバムを出す」構想があったnakamuraさん。

1枚目は故郷を。2枚目は今現在を。3枚目は未来を描こうとした。

結果的に「未来」を死者であるnujabesと作ることになったのは音楽ファンであれば胸が熱くなる思いだろう。

haruka nakamuraが表現し続ける光と闇・生と死は音楽を聴く人々の生活に寄り添ってくれる。

というより、寄り添うのではなく常にそこにいるのだろう。

生活の中に光と闇があって、生と死がある。

だからharuka nakamuraの作る音楽はすごく近くてちょっと寂しい。

haruka nakamuraのオススメ楽曲5選

さてここからはharuka nakamuraさんの楽曲について恒例のごとく独断と偏見で紹介していこうと思います。

1stアルバムは「故郷」の表現でしたね。

1stアルバムgraceから「arne」

ウチでは子供が泣きやまない時によくこの曲を聴かせてました。

アルバム全体を通して生活感のあるミニマムな構成です。

美しくて「故郷」である青森の夕暮れに似合うのだろうと思わせてくれる名盤です。

2ndアルバムtwilightから「窓辺」

2ndアルバムtwilightは「今現在」の表現とのこと。

このトラックはアルバムの中で曲と曲をつないでいる役割を持っています。

きっとnakamuraさんの住んでいる部屋の窓辺からはこの音楽のような夕焼けが見えるのでしょう。

3rdアルバムMELODICAから「Let Go」

3rdアルバムMELODICAは「未来」への表現。

nujabesさんとのfeatになっているLet Goを選びました。

1曲ごとに違う色を見せてくれる、まさに青と赤が入り混じる空のようなトラック群。

nujabesも喜んでいると思います。

4thアルバム音楽のある風景から「光」

このゴスペルアンサンブルの「光」は2ndアルバムのtwilightの中のトラックである「twilight」を逆再生したことに構想を得たそうです。

それが「まるで聖歌のように聴こえた」そうで、それをヒントに一気に書き上げました。

ちなみに楽曲である「twilight」はnujabesに聴いてもらった最後の楽曲だったそうです。

5thアルバムのスティルライフから「あくる日」

haruka nakamuraの初めてのピアノソロ作品集である「スティルライフ」から「あくる日」です。

空気的には1stアルバムに近い生活感のあるアルバム。

ミュートピアノの優しい音色とharuka nakamuraが紡ぐメロディが聴く人の生活に寄り添ってくれます。

こういうミニマムな作品を待っていたファンも多いと感じる。

まとめ・人々の人生に寄り添う音楽

今日も大好きなアーティスト「haruka nakamura」さんについて紹介してきました。

文章の途中で紹介した「カフェ開業」の構想は今現在もnakamuraさん自身で持っているらしい。

いつかファンである僕たちが行ける日も来るかもしれません。

今日はこんなところで。

experimental-roomsより

コメント

  1. […] 今日はharukanakamuraの時にもちょっと書いたけど、僭越ながらnujabesについて書いてみようと思う。 […]

  2. […] ギターはハコモノが好き。音楽はアンビエントが好き。マンガはモーニングが好き。本を読むのも好き。アニメも好き。映画も好き。ブログの内容はほとんど全てが遊びについて。 […]

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