【VOO DOO?から】ツーピースバンド・ドミコの魅力について【血を嫌い肉を好むまで】

目次

噂のベースレスバンド・ドミコ考察

こんばんは。怪しいキノコの力を借りずにまどろめることが特技のイチローです。

今日も大好きな音楽の話。ツーピースバンド・ドミコについて紹介していきたいと思います。

まどろむ?まどろまない?まぼろす?まぼろさない?

ドミコを聴いていると”トリップ”という概念を基軸にした言葉が浮かんでは消えていく。

まぼろしを具現化してみせるというのが、このバンドのアイデンティティであるのかもしれない。

鳴っているサウンドは間違いなく骨太のロックンロールであるのに、サイケデリックな沼から伸びてくる長い腕に絡め取られてしまう。

歌詞はほとんどランダムに聞こえる。踏んでいる韻に気をとられていると、死角から飛んでくるキラーフレーズに後頭部を殴られてしまう。

2020年代において、ロックやサイケは、メッセージを乗せるプラットフォームとして機能するか?

そんな大人の疑問や打算を、ドミコは残酷なほど無垢に叩き壊して進んでいく。それは救いだろうか、終わりへのカウントダウンだろうか。

いずれにせよ、明日のロックの事情なんてよくわからない。でも俺たちはみんな、今日を生き抜かなければならない。

まぼろしでも現実でも、断定することにはあまり興味がない。

どちらが誰を救うかなんて、神様にだってわからない。いいかげん俺たちは好きな方を選ぶべきだ。

アッパーなロックで踊ろう。キレキレのガレージでジャンプしよう。サイケデリックで酒を片手にフラフラしよう。

今日はどうするの?まどろむの?まどろまないの?ツーピースバンド・ドミコの話。

Twitterより

2011年結成。さかしたひかる(Vo/Gt)と長谷川啓太(Dr,Cho)の2人からなる独自性、独創性で他とは一線を画す存在。過去『soo coo?』(2016.11)『hey hey,my my?』(2017.10)『Nice Body?』(2019.02) 3枚それぞれ異なる個性を放つアルバムをリリース。

ドミコ・オフィシャルサイトより
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ドミコってだれ?

んー……タイトルとかそういうの決めるのが本当に苦手で……。とりあえず、セカオワとかレディヘとか、そういう風にバンド名を略されるのがすごい嫌だったので、最初から略されてるような名前にしようって思ったんです。さらに読みやすくて、言いやすい。なおかつ造語っていうか、意味のない言葉にしたくて。響き的にも可愛くてダサい。無理にカッコつけてない感じもいいかなって思って。本当にランダムな文字の組み合わせで考えてたので、どっから出てきたかは本当にわからないぐらい。

spincoasterより

ドミコは2011年に埼玉県で結成された。

当初からさかしたひかる・長谷川啓太のふたりのみで活動しており、メンバーチェンジや加入・脱退などはない。

どの作品のどの面を切り取っても、他の音楽グループとは一線を画す個性的な音楽性を持っている。

そのドミコの存在感は、当時のシーンの中では異質であったと表現していい。

サウンドはアバンギャルドでありクレバー。歌詞は思慮の深さを感じつつも即興性のレイヤーに覆われている。

相反するイメージが魅力的だ。緻密に積み上げられた精巧なアイデアが、衝動的に破壊されるようなトラックもある。

とにかくこのバンド。遊び心がハンパない。心地良さの後に残るのはまどろみの中の『?』ただひとつだけで。

聴く人間のセオリーをぶっ壊してくれる耳に残るフレーズは、サイケデリックを脳に染み込ませてくる。なんちゅーか逃げ場がない。

中毒性なのか?いやはや、これはもう洗脳に近い。

ロックもサイケも、もうどっちでもいいか。口ずさめる音楽はその全てがポップだと思えるからだ。

youtubeより

曲作ってて、大切なのは好きでも嫌いでも残るようなメロディーだと思うんだよね。小さい時とかコマーシャルの歌とかすっごい頭に残って。好きでも嫌いでもずっと頭のなか流れてるの。俺特に当時タメくらいの子供が歌ってる曲とかってすげーイライラしたんだよね。今は何も思わないけど。調子のんなよ、みたいな(笑)遅刻しそうとかイライラしてるときに限って頭のなかで再生されるのね。で、イライラが倍増すんの。ドミコの音楽はそういう感じな気がする(笑)たぶん嫌いなやつでもライブ見たら嫌いなまま頭のなか流れてるんじゃないかな。歌詞はわかりにくいから口ずさみにくいけど、耳に残るようには作ろうと心掛けてる。

BELONG Mediaより

vo-gtは、さかしたひかるさん。ドミコのほぼ全ての楽曲の作詞と作曲を手がけている。

好きなバンドはユニコーンとディアハンター。音楽を意識して聴くようになったのは、小学校時代にテレビで流れていたCM。

その後ベッドルームミュージックに傾倒。宅録に開眼し、個人で工夫しながら楽曲を制作していく。

ライブではギターでベース音のループを作り、その後高音のカッティングを織り交ぜたり、鋭いリフを挟みつつ音の厚みを作る。

2ピースバンドならではの個人のテクニック溢れるプレイスタイルや、趣向を凝らしたアンサンブルは見ていてとても面白い。

spiceより

dr-choの長谷川啓太さん。新潟県出身。さかしたさんのひとつ先輩。ふたりは同じ大学の先輩後輩の間柄だった。

さかしたさんとのリハスタでのセッションを繰り返している時期に、2ピースのバンドとして活動しようと提案したドミコの発起人である。

好きな音楽はニールヤングとペイヴメント。ドミコのオルタナティブ感は長谷川さんの趣味にも関係があるのかも。

演奏面では緩急を使ったプレイが特徴的と言われているけど、長谷川さんの特徴というよりドミコのトラックも特性のような気もする。ドラムのことはよくわからない。

ドミコのおすすめトラック

宅録だとかっこいいアイデアをぶち込んでも届く層に限界があるなって感じて。それはどれだけ良い曲だったとしても、宅録を聴かない人っていうのは良い曲じゃないからとかじゃなくて宅録っていうチープな感じだから聴かないんだと思って。だから今までのはずっと音楽聴き続けてるバンドマンとか音楽やってますって人には突き刺さったりすることが多かったけど、ああいうサウンドだと例えばMr.Childrenとかaiko聴きますって人にはたぶん届かない。でも今回の「soo coo?」みたいなサウンドにすれば、自分らをそのまま広い層に届けることができるんじゃないかと思った。レコーディングスタジオに入って音的にもクオリティの高い感じでやりたかった。自分の宅録で届けられない層に届けられるサウンドにしよう、あくまでローファイなサウンドではあるけどってレコーディング前に決めたんだよね。

BELONG Mediaより

常に自分たちのやりたいことを追求しているドミコだから、リリース毎に違った側面を見せてくれる。

どの作品にも『?』が付け足されていて、その評価は聴く人間に完全に委ねている。そこにあるのは自信か憂いか。

現実世界では化学変化を起こすのに熱エネルギーや運動エネルギーが必要になってくるけど、ドミコの音楽は、音楽好きへの刺激的なエネルギー源になると考えている。

音楽で前に進めるなら、誰だって錬金術師になり得る。場当たり的なつまらないノウハウより、音楽は、ずっとずっと良いぞ。

1stアルバム『SOO COO?』から”まどろまない”

2016年リリースの1stアルバム『SOO COO?』から”まどろまない”を。

シンプルな構成だけど、なんだか中毒性というかファンキー感というか。なんつーか、まどろむよね。まどろまなくないよね。まどろむよね。

さかしたさんのギターリフと、舌ったらずの歌い方がカッコいいんだ。なんだよこの曲。良いこと尽くめ。最高。

このロックの弛緩した感覚…脱力感は2016年当時、なかなかに攻めた音楽性だったと思う。

2ndアルバム『hey hey , my my?』から”こんなのおかしくない?”

2017年リリースの2ndアルバム『hey hey , my my?』からは”こんなのおかしくない?”を。

ビート感溢れるドラミングに、キレッキレのリフが乗っかったドミコ式キラーチューン。ミュージシャンってのは、少しでも永く呼吸するために生きてるのではなく、楽しむために生きる者である。そんな当たり前が伝わってくる作品。

器用だなぁしかし。歌いながらこのリフを刻むのは結構かなりなかなか難しそう。

器用といえば歌詞の作り方もユニークに韻を踏んでいたり、遊び心の中に深読みさせる要素があったり…センスを感じるトラック。

3rdアルバム『Nice Body?』から”ペーパーロールスター”

2019年リリースの3rdアルバム『Nice Body?』からは”ペーパーロールスター”を。

Apple MusicのCMに起用されたこともあって、ドミコの認知度を押し上げた楽曲になった。

歌詞はなんだかナイーブなのに、今までにない荒々しいサウンドメイク。やはり双極的なコントラストはドミコの大きな魅力だ。

今までもメインメロディにはあえて歌詞を当てはめない手法を得意としていたドミコだけど、ここまで思い切ったガレージサウンドで『ラララ…』からの『アウアウ…』は正直驚く。

ふぅ…ボイスのテンションの起伏はそれほどでもないのに、メインをアッパーに聴かせる。うまい。カッコいい。正直カッケーからいろんなことがどうでもいい。

ミニアルバム『VOO DOO?』から”化けよ”

2020年リリースのミニアルバム『VOO DOO?』からは”化けよ”を。

今までの作品とのサウンドメイクの違いに戸惑いつつも、2020年という混沌の時代をこれ以上ないくらいロックで表現しているその姿勢に胸を打たれる。

クレジットを見てみると、ギターテックにtelephonesの石毛さんの名前がある。なるほどどうしてハードロック回帰のファズが炸裂するわけだ。これにはかなり納得。

サイケデリックなベースフューチャーなトラックだけど、なんか最終的にジミヘンが出てくる。イカれてるしイカしてる。これが得体の知れない中毒性を持ったドミコってバンドの到達点なのか。

4thアルバム『血を嫌い肉を好む』から”血を嫌い肉を好む”

2021年リリースの4thアルバム『血を嫌い肉を好む』からは”血を嫌い肉を好む”を。

フルアルバムのラストナンバーを飾る、スカムサウンド。グランジギターがノイズと共に炸裂する。あぁ、なんだかロックにやられてしまう。

ドミコのボイスは、技巧的でテンションを抑えたものが大半だったこともあって、後半シャウトしっぱなしのさかしたさんがとてもセンセーショナルだった。

感情がむき出しになったふたりの行く末は、どこなのだろうか?

自分自身もこういうシットはなるべく早めにひり出してしまいたいって考えている。なんかハッとさせられるアルバムだった。

血と肉と魂の叫びを残して、ドミコはまた行ってしまった。今度会う時は、どんな表情をしているだろうか。

ドミコ・考察まとめ

ってことで今日も大好きなバンド、ドミコについて書いてみました。

このブログは毎回、自分の”好き”を言語化することが課題になっている気がする。

ドミコに関しても、言語化がなかなかに難しかった。

一時期はアホみたいに聴いていたバンドだったのだけれど、満足した後に余韻に浸ってみれば、何が良かったのかさっぱり説明ができない。

気だるいポップセンスや、脳を溶かすサイケ。全部すごくいいけれど、なんだかつかみどころが見当たらない。

ライブや新譜が楽しみで、実際に楽しいことに間違いはないのに、後になってみればなんだか化かされたような、騙されたような。

自分の感情とバンドを繋げられるものが見当たらない。ロックンロールはまぼろしだったのか。

basement timesより

自分は、新譜である『血を嫌い肉を好む』を聴いて、ドミコを記事にしてみようと思った。このバンドは実態のある肉体であることを確信したからだ。

今までも最高にクールだったけど、感情があらゆる方向に振り切れていて、揺れていて、捉えようもなくて。

そんな音楽性もドミコ自身の自己の模索期間だったような気がしてくる。

『血を嫌い肉を好む』でドミコは肉体を手に入れた。それはこれからも感情の容れ物として機能していくはずだ。

バンドが提示してきた『?』はたぶん、この辺に理由があったのだと、なんとなくそんな風に感じている。

まぁ。とはいえ。これからも、飄々と自分たちのやりたい音楽を作り続けることに、なんら変わりはないのだろう。

量産型のロックンロールと、本物を。お前に見分けることはできるかい?

子どもみたいに無邪気に、あるいは残酷に。ドミコは俺たちに『?』を投げかけてくる。

realsoundより
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