【ネタバレ考察】マンガ・グラゼニの面白さついて【あらすじ】

マンガの話

左のワンポイント・凡田夏之助のプロ野球人生を追う”グラゼニ”

コンヴァンワ〜。今日も夜な夜なマンガを読んでいたのでなんとなくまとめていこうと思います。

野球マンガに関しては雑食気味に何でも楽しめるタイプなんだけど、今回はその中でも大好きな”グラゼニ”について書いてみようと思います。

「グラウンドには銭が埋まっている」っていう例の名言の略語というか造語を冠したこのマンガは、簡単に言うと”プロ野球のお金の話”をコミカル且つシリアスに描いた作品になっていてすごく新鮮。めっちゃ楽しい。

なんだか最近は以前書いた”こづかい万歳”といい”コウノドリ”といい、モーニングとかイブニング系のマンガばっかり読んでいる気がする。

これが老いってやつかもしれない。まぁ面白さの幅が広がっていくなら、歳をとるのもそんなに悪いものじゃないのかも。

ちなみに”グラゼニ”はファースト・東京ドーム編・パリーグ編、と繋がっていて2021年現在も連載中である。

初回なんで今夜はファーストの神宮スパーダース編の話。神宮が本拠地のこのチームは明らかにスワローズのオマージュである。

スワローズの左のワンポイントが主役のマンガ・・・しぶすぎる~。(いい意味で)

炭水化物と野球は人を幸せにする。これは宇宙の真理である。

そんなわけで今日は野球マンガ”グラゼニ・ファースト”の話。

『グラゼニ』は、原作:森高夕次、漫画:足立金太郎(パ・リーグ編より「アダチケイジ」から改名[1])による日本の野球漫画作品。『週刊モーニング』(講談社)にて2011年第2・3合併号から不定期連載を開始。

Wikipediaより

グラゼニ・1stの登場人物について

初回なんでおきまりな感じなんですが、登場人物の紹介からさせてください。

“グラゼニ”は長期間連載しているマンガという以上に、日本のプロ野球をお金という特殊な視点から切り取った作品なので、とにかく登場人物が多い!

チームメイト、ライバル球団、スポーツ記者、代理人、裏方、二軍選手、コーチ陣、さらにはその家族までとにかく出てくるキャラクターが多い。

そんなわけでとりあえず今回は主人公の凡田に密接に関わってくる一握りのキャラクターだけ最初に紹介することにします。めんどくさいわけじゃないんです。覚えきれないんです。

主人公・凡田夏之助

モーニングより

僕は中継ぎ投手です

高卒でプロ入りして8年目

まぁ左投げでこんな風に横から投げてると

それなりに存在価値はあるんです

主人公の凡田夏之介は神宮スパイダースの左サイドスローのワンポイント。いわゆる中継ぎピッチャー、かっこよく言えばセットアッパー。

登場時の年俸は1800万円で、プロ野球の世界をお金を中心に考察する癖を持っている。

セットアッパーといってもドラフト最下位での入団でしかも7年間目立った活躍がなかった凡田は、試合の要所の左打者に対するワンポイント扱いで一軍になんとかしがみついている状況だった。

ブルペンにいる間などに選手名鑑を見るのが趣味で、相手バッターが自分より年俸が低いと強気なピッチングで結果を出すが、逆に自分より年俸が高い選手にはめっぽう弱いという特徴を持っていた。パワプロでいうと年俸×・寸前×みたいな?

ただ、年俸5000万円を超える選手相手だと逆に開き直って投げるため、億プレイヤーをバッサリ抑えることもしばしば。

モーニングより

ゼニのためには先発に転向したいと考えないこともない凡田だったが、このような小心者メンタルの持ち主であったことが結果的に”貴重な左のセットアッパー”として球界全体に評価されていくキッカケになっていく。

この”グラゼニ”ってマンガは、こんな「あまりパッとしない中継ぎ投手目線からみたプロ野球」って感じの作品になっているので、豪速球もないし(140㌔そこそこ)派手な変化球もない。(スライダー・シンカー・チェンジアップくらい)

しかし凡田は連載が進むにつれて結果を残し、年俸的にも評価されていく。その理由は「とにかくコントロールが良い・クレバーな投球ができる」という部分に集約される。

プロ野球選手として派手さのない自分が、どのようにしたら結果を残しグラウンドのゼニを掘り起こすことができるのか?を凡田は必死に考え続け、それを見ている読者たちは自然と「現代野球に必要な技術」を知ることができる。

お金の話だけかよ~って思っている野球好きの人がいたら、食わず嫌いにならないで読んでほしいマンガなのである。んめっちゃ面白いから。ぜひ。

同郷の先輩・トクさん

モーニングより

凡田夏之助のことなら

ケツの穴のシワの数まで知ってる

元・神宮スパイダースの投手であり、凡田の同郷の山梨県・甲子園ベスト4ピッチャーの徳永ことトクさん。

通算成績は49勝と、50勝にあと一つ届かなかったことをかなり悔やんでいる様子が描かれる。

選手としての成績はあまりパッとはしなかったが、お祭り男的なタレント性を選手時代から発揮しており、人当たりの良さも幸いして運良く知り合いのツテでラジオ解説者の職を得る。

同郷の凡田、雪雄の3人でスパイダーズ山梨県人会を結成するなど面倒見の良い性格で、パリーグ編ではコーチにまで上り詰めるのだがそれはまだ先の話。

凡田とは酒を飲みながら、赤裸々にプロ野球界の金の話を暴露し合う気のいい先輩なのだ。

同期の先発ピッチャー・渋谷章

モーニングより

だけど”中継ぎ投手”には・・・

おれ達(先発投手)の気持ちは絶対にわからない!

神宮スパイダースの先発ピッチャーの。凡田の同期でこちらはドラフト一位だったが、勝ち運×のためにくすぶっている年俸3700万円の通算21勝投手として登場。

物語の結構早めの段階で、名古屋ワイルドワンズにトレードに出されてしまうが、新天地で先発ピッチャーとしてブレイク。シーズン二桁勝利をマークするなど年俸を倍増させることに成功する。

スパイダース時代から凡田とは仲が良く、何かあれば2人で頻繁に飲みにいくような間柄だった。ちなみに凡田に禁煙を勧めたのはアキラで、凡田曰く「ちょっと細かい気難しいやつ」。

そんな2人の仲がいいのも、厳しいプロの世界で同期の選手として残っていたのがお互いだけだったためで、アキラのエピソードからはプロ野球の世界の厳しさをいろいろ知ることができる。

ちなみに言えばアキラは先発ピッチャーなので、凡田の役割である中継ぎピッチャーとの対比を分かりやすく描くためのキャラクターであるとも言える。

未来の花嫁・ユキちゃん

モーニングより

良かったですね・・あなたは・・

プロ野球選手としてセカンドキャリアの大きなアドバンテージを得たんです

恵比寿の食堂の看板娘・ユキちゃんは凡田の未来のお嫁さん。登場時は大卒からの調理専門卒で24歳だった。

気立てが良く、ウブで擦れていない食堂の看板娘に目をつけるとはいかにも凡田らしい。ふぅー。

お店の看板メニューである「唐揚げチャーハン」の考案者で、凡田も来店時は毎回それを頼む。味付けが絶妙で、料理において天性のセンスを持っているユキちゃんに凡田はメロメロになる。

ユキちゃん自身、大阪テンプターズ(現実のところの阪神タイガース)の大ファンではあるが、他チームの選手の顔を認識してはおらず、お店の常連客であるスパイダースの中継ぎピッチャーのことは全く把握していなかった。

そんな2人がどのような経緯で人生を共にするようになったのか?も、マンガの本筋とは関係のないところで結構楽しめるポイントだと思う。

凡田の運命を握る代理人・ダーティ桜塚

モーニングより

君ほどの人がこんな金額で契約をするのは・・・

ハッキリ言って・・バカ・・

物語の後半で登場するちょっと怪しいスポーツ専門の交渉代理人。スパイダースとの契約がこじれる凡田にポスティングを勧めたのもこのダーティさんだった。

仕事はデキるし、お金をつかむ本能にも長けているが、界隈ではその手口のエグさが一人歩きし”ダーティ”と呼ばれるように。本人はその評判を逆手にとって代理人の世界でビジネスを展開している。

物語の後半から続編にかけてチーム移籍が多くなってくる凡田の人生に、頻繁に登場してくるようになる。

一言ひとこと、お金に関しての重たい名言が多く、プロ野球を超えて「お金とは?」みたいなことを考えさせられてしまう。個人的に好きなキャラクター。

グラゼニの面白さ・名場面・ネタバレ有り

はい、ということでここからはマンガ”グラゼニ”の面白さについて考察していこうと思います。

ここまで登場人物を紹介したり、あらすじを書いたりしていく中で出てきちゃった話が多いので、その辺の理由を一つ一つ掘り下げていくような感じになっていくかと思います。

個性的なキャラクターたちが、プロ野球という厳しい世界の中で、どのようにしてお金と共存しているのでしょうか・・?

笑いの中にも厳しい現実がシリアスに伝わってくる、数々の名場面を紹介していこうと思います。

とはいえここまでの文章で2時間使ってしまった。稲川淳二の怪談話ですら1時間弱なのにこれはまずい。さくさくっといってみましょう。

面白さその1 お金の話からプロ野球を知れる

野球ファンであってもあまり知らないであろうお金の制度がたくさん出てくる

なんども言っているような気がしてくるけれど、このマンガの面白さは”プロ野球をお金という側面から切り取る”という視点そのものにある。

プロ野球選手の年俸査定について・プロ入り時の契約金について・トレード制度・ポスティング制度・代理人制度などなどのお金の流れを把握することができるマニアックな内容がファンにはたまらないのだ。

プロ野球選手がシーズンの中において、どのような査定ポイントがあるのか?とか、二軍選手が気にしているお金のポイントやら、先発と中継ぎの投手間での査定の違いやら、各回こまかい部分にスポットが当てられていてすごく面白い。

野球ファンが気になっていたポイントに切り込んでいく感じがたまらなく良い。

プロ野球選手のみならず、それを取り巻く人々のことがわかるのもすごく楽しい。

代理人への報酬・球団関係者の思惑・ライバルの視線・選手の家族の思いなどなど、いわゆる「野球」以外の情報量がすごく多いのが”グラゼニ”というマンガの大きな特徴だと思う。

面白さその2 プロ野球選手を身近に感じることができる

プロ野球選手の主人公に読者がここまで感情移入できるのは

凡田夏之助の小心者の性格によるところが大きい

コミカルな絵っていうのも要素としてあるけれど、主人公の凡田がプロ野球選手のクセに庶民派すぎて親近感が湧きすぎるっていうのも、このマンガの特徴。

これはただのカンでしかないけれど小心者のパッとしない中年セットアッパー」っていう凡田の設定が、世のアラサー・サラリーマンの心を掴んでいる感、ある。

日常のお金の気にしかた・年俸が上がった時喜び方・車の買い替え方・球団との交渉がまとまらない時の心境などなど、プロ野球選手もあんまり一般人と考えていることって変わらないんだなぁって凡田を見ていると思ってしまう。

凡田の他にも庶民派のプロ野球選手が多数登場してくるので、読み進めるほどにプロ野球選手ってものがドンドン身近になっていく。

まぁ庶民派のほとんどの選手が登場時の凡田と同じくらいの年俸(1800万円)なので、プロ選手全員が全員、同じような金銭感覚ではないのだけれど。

面白さその3  プロの世界の厳しさを感じることができる

当たり前だけどプロ野球選手にもそれぞれの生活があり、それぞれの苦悩がある

シリアスなプロの世界を知ることのできる貴重なマンガでもあるのだ

キャラクターたちの親しみやすさとはウラハラに、プロの世界の厳しさを知ることができるのも”グラゼニ”の大きな魅力。

主人公とはいえスター選手ではない凡田なので、査定の減額もあるし、二軍への降格もある。

抜群の活躍を見せたシーズン後に、球団側との交渉が決裂しポスティングによる放出まで経験する。まぁこれは本人が言い出したことなんだけど。

とはいえ凡田は曲がりなりにもプロ第一線の世界に残ることのできている一握りの存在なわけで、実はポテンシャルはすごく高かったりするし、運に恵まれていたりもするのだ。

登場人物の中では二軍で長期間くすぶっている選手や、ブレイク直前にケガにより解雇されてしまう者もいる。トレードに出されて単身赴任せざるを得ない選手や、自由契約になってトライアウトに賭ける選手もいる。

様々な球団のいろいろな選手の多種多様な人生が垣間見れる。

どのような選手にも家庭があり、生活があり、翌年の納税義務が発生する。年俸が高いと、翌年の負担が大きくなる。

スーパースターでなければ引退後の生活もままならない。球団のフロントに入れる人材なんてのはほんの一握りだし、野球解説者やタレントなんてネームバリューがなければ無理な仕事だ。

プロ野球選手にとっては引退後の再就職先ってのは、人生においてかなり大きな問題なのだと気付かされる。

これはただ野球の試合を観ているだけでは感じ得ない気付きである。尊い。

面白さその4 “中継ぎ投手”という存在に詳しくなれる

中継ぎを知ることは野球を知ることである

試合の日程、ゲームの流れ、両チームの打順、選手同士の相性、験担ぎ

様々な要素と微妙なバランスの中でその日登板する投手が選ばれるからだ

未だかつて「中継ぎピッチャーが主役の野球漫画」はあっただろうか?

主人公の凡田夏之介は”超”がつくほどの地味ピッチャー。中継ぎの中でも左のワンポイント。年俸1800万円。

豪速球を投げる先発エースでもなければ、魔球を操るイケメンクローザーでもない。中年メガネの左のワンポイントである。

そんな凡田を追っていくことで、読者は”プロ野球とお金”のことを知れるし、更に言えば「異様に中継ぎ投手に詳しく」なれる。そのくらい凡田の心理描写には繊細なものがある。

作中になんども出てくるように、凡田夏之助って投手は「根っからの中継ぎ気質」を持っている。投手の花形である先発投手への転向も試みられるが、なかなかうまくいかない。

その心理的な理由や、凡田の性格を詳しく知っていくことで「中継ぎピッチャーの心理」を垣間見ることになる。

中継ぎピッチャーに詳しくなるということは、野球の試合の流れや全体像をつかむことに近いので、自然と野球そのものに詳しくなっていく。

さらに言えば登場人物がプロ野球選手以外にもたくさんいることでお金の事情を把握しやすい。

つまりは興行としてのプロ野球というものをより細かく知ることができる。”グラゼニ”はなかなかにインテリジェンスなマンガだと言うことができる。

マンガ”グラゼニ”・ネタバレ考察・まとめ

今日はこんな感じで簡単に”グラゼニ・ファースト”を考察・まとめてみました。

いや~やっぱりこのマンガ、なんど読んでも面白いですわ。あっという間に読み終わりました。

続けて続編である”グラゼニ・モップス編”も読み返そうと思っているので、また近いうちに考察してみようと思っています。

ちなみに「神宮・スパイダース」が現実のヤクルトスワローズをオマージュしているのに対して「文京・モップス」は現実のジャイアンツをオマージュしている。

つまり続編は「ヤクルトのセットアッパーが巨人に移籍したらどうなるか?」というこれまた面白そうな切り口の作品になっているのだ。野球ファンにはたまらないニッチさ。わるくない。むしろエモい。

ってな感じで次回は”グラゼニ・モップス編”の考察でお会いしましょう。今日はこんなところで。

モーニングより

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