【こじらせ】浅野いにお作品・おやすみプンプン考察【メンヘラ】

考察してみた

絶望と怠惰ときどき希望・プンプンの半生を考察

こんばんわー。ソラニンの種田に感情移入しすぎているイチローです。

だってさ。使ってるエフェクターとかアンプとか。めちゃくちゃ共感。わかりみ。

JC-120…スモールクローンのコーラス…それにムスタング。あ、俺ムスタング使ったことないや。

ってことで今回は、浅野いにお先生の代表作「おやすみプンプン」について紹介・考察していきたいと思います。ソラニン関係ねー!

可愛いキャラクター達の鬱マンガとして有名ですね。

このマンガ。人間の感情の解像度がエグすぎるくらいに高い。

理不尽とか矛盾とか、優しさとか愛情が。ぐちゃぐちゃに混ざり合っている。

今日はそんな個人的に大好きなマンガのお話。

おやすみプンプン第2巻より

『おやすみプンプン』は、浅野いにおによる漫画。2007年から『週刊ヤングサンデー』に、同誌の休刊により、その後2008年から2013年まで『ビッグコミックスピリッツ』に連載された。単行本は全13巻。累計発行部数300万部[1]。第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門の審査員委員会推薦作品に選出。

Wikipediaより

おやすみプンプンの主要な登場人物について

まずは参考程度に「おやすみプンプン」の主要な登場人物を簡単にさらっていこうと思います。

まず最初は本作の主人公「プンプン」ですね。

自己肯定感がヤンキーのセドリックより低めのプンプンですが、

なにゆえ彼がそのような人格になってしまったのか?ってのを作品の登場人物を見ながら考えてみることにする。

主人公・プンプン

おやすみプンプン第1巻より

本作の主人公。

普通の人間だが、作中では自身とその両親と叔父は落書きのようなヒヨコの姿で表現されている。

最初はヒヨコだけど、三角になったりひょっとこになったり、精神状態で容姿の模写が変わる珍しいタイプの主人公です。

根暗な性格だけならまだしも、トラウマの学生生活などを経てどんどんねじ曲がっていく少年プンプン。

大人になるにつれ歪んで拗れていきます。生粋のこじらせボーイ。

「おやすみプンプン」はそういった主人公自身の、歪みや拗れを追っていく作品だと言えるでしょう。

絶望ヒロイン・田中愛子

おやすみプンプン第2巻より

第一話でプンプンのクラスに練馬区から転校して来た少女。

プンプンの一目惚れの相手。

彼女もプンプンに好意を抱いていたが、すれ違いが重なり疎遠となったまま卒業。

プンプンの運命の相手である愛子ちゃん。

小学生時代はただの可愛い女の子って感じだけど、その実態は怪しい宗教の勧誘に付き合わされる不憫な家の子。

プンプンの人生はこの愛子ちゃんを中心に回っていて、様々なトラウマの元凶であり希望の中心。

プンプンにとっては小学生の時の「愛子ちゃんとの約束」が人生の全てだったのかもしれない。

誰と一緒に過ごしてもどこに行ってもプンプンは愛子ちゃんからは逃げきれませんでした。

絆と呪いは紙一重。愛と憎悪の犬小屋からひょっこり顔をだすケルベロス。そんな女の子。どんな女の子やねん。

高校時代の同級生・蟹江梓

おやすみプンプン第6巻より

高校生編に登場。プンプンのクラスメイト。

人付き合いが苦手で同じ境遇のプンプンと意気投合。

デートをするが、価値観のズレにより恋人関係にはならなかった。

プンプンの高校時代のトラウマを作った女性。

本作に登場する人物の中では貴重な「狂ってないキャラ」の1人。

この頃のプンプンは家庭環境は劣悪だったし、過去はトラウマでいっぱい。

相手を気遣うような恋愛をするキャパシティーを持たなかったのが梓ちゃんと上手くいかなかった原因でしょう。

心に余裕がなければ、相手を救うことはできないし、救いを受け取れない。

救われないことが、救いだと思い込んだりする。

全国のこじらせボーイたちに印籠を突きつけてくる。それがおやすみプンプン。

叔父さんの彼女・翠さん

おやすみプンプン第4巻より

小学生編では第二病院の看護師として登場。

プンプンママが入院していた際に、奔放な彼女にも優しく接していたので非常に気に入られていた。

長い経緯はここでは省きますが、高校時代。翠さんがプンプンの初体験の相手になります。

ここでは取り上げませんがプンプンの叔父さんにあたる「雄一」という人物が、とてつもなく人間くさい弱さを持った人物で、翠さんはその代償を引き受けてるって感じ。

叔父さんの彼女が初体験の相手。この件だけでも大きなトラウマの1つをプンプンは担ってしまうことになります。

家族の絆に対する共依存の呪い。ってのはこの作品の隠れたテーマとして機能しそうな気がする。

モラトリアム時代の彼女・南条幸

おやすみプンプン第10巻より

漫画家志望。高校はプンプンと同じ母校で早稲田大学中退。

高校生編でプンプンが蟹江美雪の妹である梓との初デートでOG展を訪れた際に彼と出会う。

出典していた作品の感想ノートにプンプンが書いた文章からプンプンの才能を見出し、

2年後に偶然再開した際に漫画の原作執筆を依頼する。

全員もれなく美人やんけ。このヒヨコ絶対イケメンやろ。コラ。

って読んでる人は思うと思います。

プンプンの容姿に関しては「ジャニーズ系」とかの表現が作中に出てくるあたり悪くないのでしょうね。

南条は物語の後半でプンプンのよき理解者になる人物。

南条もプンプンの顔を「タイプ」と公言しているし激しくケンカをしながらもプンプンに寄り添ってくれる。

この人がいなければプンプンはとっくにダメになっていたでしょう。

あるいは人の弱さってもんは、まわりにいる人の優しさとか強さを引き出すものなのかもしれない。

プンプンの半生を追ってみる・あらすじとネタバレと結末

ここからは物語に沿って、プンプンを自分なりに解釈していこうと思います。

考察は後半にまとめて書いてみます。ここからは大いにネタバレを含みます。注意!

それではプンプンの重めトラブルサマーソニックみたいな人生をとくとご覧あれ。

プンプン約束の小学生編

おやすみプンプン第1巻より

小学5年生のプンプンは、転入してきた田中愛子に一目惚れする。

一学期の終業式に愛子の伯父の家がある鹿児島へ二人で行くことを約束するが・・・

プンプンが小学生の頃。

まだ両親はケンカをしつつも親子3人でそこそこ平和に暮らしていました。

プンプン自身も友達にも恵まれ普通の小学生として生活を送ります。

ある日突然転校してきた「愛子ちゃん」の存在に強く影響されるプンプン。

自分はどのように生きていくべきなのか漠然とした悩みの入り口に立ちます。

そして普通の家庭はある日突然崩壊します。

おやすみプンプン第1巻より

それでも両親の離婚が決まってからは「雄一おじさん」がプンプンの理解者として寄り添ってくれていた。

不幸ではあるけれどまだ大人の保護下にあるプンプンはそれなりの小学生生活を送ります。

その中で愛子ちゃんとの距離を縮めていくプンプン。

「何があっても愛子ちゃんを守る」ことを誓います。

お互い不遇な家庭環境の中で生活している部分に共感を覚えたのかもしれません・・

ある日愛子ちゃんは新興宗教にハマる親に限界を感じ、鹿児島の親戚を訪ねようとプンプンに提案し約束を結びます。

おやすみプンプン第2巻より

しかし小学生に東京から鹿児島は遠すぎた。

結果として、この約束が果たされなかったことがこの後のプンプンの人生に大きな影を落とします。

この事をきっかけにプンプンは「自分は死んだ方が良い」と考えるようになります。

プンプンの小学生時代は「両親の離別」と「好きな人との約束を果たせなかった自分」に終始します。

おやすみプンプン第2巻より

プンプンすれ違う中学生編

おやすみプンプン第2巻より

中学1年生になったプンプンはバドミントン部に入部した。

愛子とは全く口を聞いておらず、愛子はバドミントン部の先輩の矢口と交際していたが、

それでもプンプンは愛子を思っていた。

中学に入学しても愛子ちゃんとはすれ違ったまま。

愛子ちゃんはプンプンの部活の先輩の「矢口」と付き合うようになります。

仲よさそうに手を繋ぎながら下校する2人を見つめるプンプンは、未だかつて味わったことのない「嫉妬」という感情を知ることになります。

この年代の少年にとってはこのシチュエーションは地獄ですよね。

おやすみプンプン第3巻より

その後矢口先輩とひょんなことから仲良くなるプンプン。

話してみると矢口先輩のことは悪い人間だと思えなくなってしまいます。

「みんな幸せになってほしい」と考える自分の事を「偽善者」であると追い込むプンプン。

人生を賭けた矢口先輩の試合で愛子の述懐を黙して聞き、最後に差し出された愛子の手を拒みます。

この出来事で決定的にねじ曲がったプンプンはこれ以来、他者と距離を取るようになってしまいます。

中学時代のプンプンは「嫉妬」と「偽善的な自分」との間の揺れ動きに終始します。

おやすみプンプン第4巻より

プンプントラウマの高校生編

おやすみプンプン第5巻より

進学校へ入学したプンプンは、他生徒のテンションについていけず、

同じ境遇にいた蟹江梓と接近するが・・・

地元の偏差値の高い進学校に入学したプンプン。

この頃に1度だけ叔父さんの彼女の「翠」と関係を持ってしまいます。

そもそもの原因が叔父さんや翠といった周囲の大人にあるのですが、プンプンの中での「他者」という概念の捉え方が捻じ曲がってしまう大きな要因になります。

その後、学校でプンプンと同じくクラスに馴染めずにいた「梓」とデートをする仲に発展します。

久しぶりに好きになれそうな女の子の登場に酒乱の母親のことさえ忘れて舞い上がります。

しかしデートは失敗に終わる。

梓に自身の人間としての本質を見透かされ激昂し、無理やり押し倒した末に張り倒されるというトラウマを味わいます。

おやすみプンプン第6巻より

「もう人を好きになることをやめる」と誓うプンプン。

そのほとんど同じ時期に母親が癌に侵され、高校3年生の時に闘病の末に亡くなります。

その後訪れた父親の発言にも幻滅しその後は1人で生きていく事を決意します。

高校時代のプンプンは「軽薄な自分」と「母親の死」という2つのテーマに終始します。

おやすみプンプン第6巻より

プンプンモラトリアムフリーター編

おやすみプンプン第8巻より

プンプンは、プンプンママと2人で暮らしていたマンションで、

プンプンママの遺産を頼りに生活していた。

高校を卒業したプンプンは母親の遺産を切り崩したり、たまに友人の三村と一緒にアルバイトをしたりして、目標の無い生活を送っていました。

しかしある日、電車に乗っていたプンプンがホームに立っている愛子ちゃんを見つけます。

すぐさま戻って確認しますが愛子ちゃんは見つかりません。

プンプンはその駅周辺に安アパートを借りてその部屋の更新日…

つまり2年後までに愛子ちゃんを見つけることができず、自分の人生の状況が変わっていないようなら、その時は死ぬ決意を固めます。

おやすみプンプン第7巻より

そんな生産性の無さそうな生活の中でも不動産屋の宍戸さんを通じて、以前感銘を受けた絵画の作者「南条幸」と再開を果たします。

宍戸さん・南条・三村の3人との人間の繋がりに大いに助けられて、プンプンは日常の中にもささやかな平穏がある事を思い出し、その中で南条と一緒に漫画を作ることになります。

しかし南条と一緒に創作したプンプンの漫画は編集者に酷評を受け、恩人であり2人の仲介人でもある宍戸さんが不幸にも大怪我を負ってしまう事件が重なり、プンプンは社会を繋げている存在たちと疎遠になってしまいます。

おやすみプンプン第9巻より

半身不随で動けなくなった恩人の宍戸さん。

プンプンは宍戸さんの会社で働く事を目標に資格の勉強をしたり車の教習所に通ったり、人生に前向きになっていた矢先の不運でした。

何もかも嫌になってしまったプンプン。

精神が振り切れて自分である事を放棄。隣人のリア充大学生の「たーくん」を完全にコピーして周囲と接するようになります。

教習所で「たーくん」キャラでナンパに励んでいる時に、愛子ちゃんと再会することになります。

おやすみプンプン第9巻より

プンプン愛子と再会編

おやすみプンプン第10巻より

以前より明るくなった愛子に困惑しながらも、プンプンも明るく装う。

プンプンは自分の経歴を偽り、フットサルサークルに参加する大学生だと愛子に語る

再開した愛子ちゃんはもうプンプンの知る愛子ちゃんではありません。

明るくてよく喋る普通の女の子。

モデルになって夢まで叶えた愛子ちゃんの眩しさにプンプンは自分を見失います。

愛子ちゃんの呪いにかけられていた自分はいったい何だったのか?

愛子ちゃんが普通の幸せを手に入れていることが許せないプンプン。

いっそ汚してしまおうとホテルに誘い強姦を試みますが、結局何もできないままに別れることになります。

おやすみプンプン第10巻より

その後ホテルの件を謝罪し、自分を偽っていた件とずっと愛子ちゃんを探していた事を本人に告げるプンプン。

くだらない上にどうしようもなく価値のない自分をさらけ出し、愛子ちゃんの呪いが解けたかに見えましたが、自分を偽っていたのは愛子ちゃんも同じでした。

愛子ちゃんの状況はプンプンのそれとは比べものにならないほど過酷を極めていました。

宗教にハマる母親の借金を肩代わりする形で半強制的に働かされる日常。

そんなクソみたいな母親には家庭内で日常的に暴力を受ける始末。

おやすみプンプン第10巻より

2人の事を誰も知らない遠くの街で一緒に暮らそうと提案するプンプン。

愛子ちゃんはその提案にうなずきます。

問題は足に障害を抱えた宗教にハマる愛子の母親です。

2人は事情を説明して母親を説得しようと試みますが気の狂った愛子の母親は逆上。

愛子ちゃんは包丁で刺され深い怪我を負い、間に入ったプンプンが勢いで愛子の母親を殺してしまいます。

おやすみプンプン第10巻より

プンプン愛子と絶望編

おやすみプンプン第11巻より

殺してしまった愛子の母親を山中に埋め2人で逃亡を試みます。

なしくずし的に小学生の時に約束した鹿児島を目指すことになります。

深い肉体的な傷を負った愛子ちゃんと、人を殺したことで精神を病んでいくプンプン。

行く先に何があるかもわからない状況の2人の逃避行が始まります。

おやすみプンプン第11巻より

心身共に衰弱していく2人。

逃げた先に希望があるわけでもなく、支えるものがない状況にプンプンはすり減っていきます。

道中見ず知らずの人に絡んで車を失うまで精神を錯乱させるプンプン。

種子島に着いたところで愛子ちゃんを殺そうと試みますが、その際に母親を殺したのは愛子ちゃん自身だったことが判明します。

おやすみプンプン第12巻より

約束の場所、鹿児島の集落にたどり着いた2人ですが人影が全く見当たりません。

疲れ果てた愛子ちゃんは病院ではなく警察に行くことをプンプンに告げます。 

行き止まりまでギリギリの精神状態を共有してきたことで2人はお互いの理解をこれまでにないほどに深めます。

両想いになる事を七夕の夜に願った愛子ちゃんの述懐を聴きながらプンプンはうたた寝してしまいます。

おやすみプンプン第13巻より

絶命した愛子ちゃんを担ぎながらプンプンは歩きます。

愛子ちゃんの死を受け入れることが出来ないプンプンは隠されていた自分の欲望に気がつきます。

愛子ちゃん・・僕は君に殺されたかった・・

愛子ちゃんを鹿児島に残してプンプンは思い出の工場で星空を見るために1人東京に戻ります。

おやすみプンプン第13巻より

おやすみをキャンセルされたプンプン

おやすみプンプン第13巻より

2人の逃避行の裏で南条は消息を絶ったプンプンの身を案じ、

雄一や、プンプンパパの元へと手がかりを探して回っていた。

南条によって死ぬことさえ許されなかったプンプン。

病院に担ぎ込まれ警察の調査を受けることになります。

執行猶予の期間も終わり就職を果たすプンプン。

南条・宍戸さん・三村などと元あった日常に戻り平穏な日々を送ります。

おやすみプンプン第13巻より

罪の意識・恋心と共依存・プンプン考察

最後に少しだけプンプンについて考察してみようと思います。

主人公がプンプンなので当たり前なのですが主観で見ていると、どうしても愛子ちゃんがプンプンを一方的に呪っているように感じてしまいます。

だけどプンプンの方もかなーりエキセントリック。

愛子ちゃんは愛子ちゃんなりに強く生きてきてたわけで…かなり病んでるガールなのは確かだけれど、プンプンは色々な上手くいかない事を愛子ちゃんとの約束のせいにしすぎた気がする。

雄一おじさんが言う「人生自業自得」ってのはこの辺を指していると思われる。

南條が言う「1人でいじけていても普通は誰も助けてくれない」って言うセリフもプンプンの甘えた性格の芯を食ったセリフだと思います。

(その南条自身も蟹江姉に「主観で見過ぎ」って言われてたけど)

そもそも多面的に人間を見れる人間なんているのだろうか?ってのも隠れたテーマなのかも。

実際に愛子ちゃんとの再会シーンでもキラキラした愛子ちゃんを疑ってかかった読者は少なかっただろうし。

2人が失踪した後、南条が福島にプンプンパパを訪ねるシーンで明かされた昔のエピソードは、南条以上に読者が驚いたんじゃないだろうか。

そういう意味では、若すぎる2人には想像できる選択肢があまりにも少なかったのだろう。視野も狭い。

こじらせボーイとメンヘラガール。ここに極まれりって感じ。

大人目線でプンプンと愛子ちゃんの2人を見ていると、その不器用さに辟易する人も多そうだ。

愛子と母親は間違いなく共依存の関係だったんだろうけれど、愛子ちゃんとプンプンも同じようなもので、結局最後まで本当に分かり合うことはなかった関係だったと感じる。

逃避行中に「1人にしないで」って言葉が結構出てくるけれど、これは「相手を思いやっている」言葉ではないと思えてくる。

この時のふたりの関係性は愛とかどうとかよりも、裏切られるのでは?っていう猜疑心の方がどうしても強く感じられるのだ。

信じたところで最後の最後でハシゴを外されてしまう感覚を2人とも知っている感じ。

そもそも何かを強く信じる芯の強さがこの2人には無い。

これを真実の愛と呼ぶには美談にしすぎだと思う。

プンプンが愛子ちゃんのために費やした2年間っていうのも、それ自体が逃避だった。

「たまたま愛子ちゃんが不幸」だったけれど、そうじゃなかったらプンプンはただの気持ち悪い痛いヤツ。

その事実だけでも「愛子ちゃんの不幸に救われている過去に依存するプンプン」が成立する。

プンプンの生きる意味は「愛子ちゃんを思うこと」だけ。

雄一おじさんを生かしていたのが「罪の意識の呪縛」だったように、愛子ちゃんへの罪の意識と恋心が一緒になった自意識がただプンプンを動かしてた。

だから「愛子ちゃんに殺される」のが1番の願いだった。

結局プンプンは自分の事しか考えてない。

環境的に愛子ちゃんは自分を受け入れてくれる人間を探していた。

「じゃぁ私も好き」って言う言葉の通り、意外とプンプンへの拘りは無かったのかもしれない。

結局何もかも上手くいかない男の話なのだろう。

出会ってきたどの女性ともほぼ両思いなのに、その誰とも上手くいかないってのはすごく印象的だ。

「何1つ思い通りにいかない」ってことを象徴するように、最後の願いである「自分で自分を終わらせる」ことさえも出来ないところが非常に惨めですらある。

愛子ちゃんがあんなことになってしまったのに自分だけ日常に戻ってる部分がプンプンの1番のダサポイント。

作者も読者もプンプンも最後にはプンプンが死んでしまうのが1番美しい終わり方なのはわかっていたはずだけど。

でも生きていくのは死ぬことよりある意味ではツラくて惨めなことだから、このエンディングは非常にリアリティがあるとも言える。

最終的には南条に捕まって愛子ちゃんへの思いすらあやふやになってしまう。

青春っていうものは自らがどうなっているのか、イマイチよく分からない状態を表すわけで。

その意味で言えばこの作品は間違いなく青春マンガだ。おじさんになった俺はそれを評価できる立場にないのかもしれない。

別にプンプンの肩を持ちたいわけじゃないけれど『人生の本当に大切な選択の時、それを選択できるチャンスなんてないのかもしれない』ってことを暗に示している作品であるとも言える。

俺たちはみんなある程度、なにかに流されて生きている。

不条理や不幸と出会ってしまったとき、最初の目的に忠実でいられる強い人間は稀だ。

自分はプンプンに感情移入しすぎなのかもしれない。確かなことは少ない。

おやすみプンプン第13巻より

さよならプンプン・まとめ

今日は大好きなマンガ「おやすみプンプン」についてまとめてきました。

短く考察しようと思っていたのだけれど、なんだか長くなってしまいました。

物語の最後がハルミンの視点だった件については諸説ありますが…

ハルミンは変態ばかりのプンプンの世界の中で「普通の価値観」を持った人物なのです。

浅野先生は、壮絶な人生を送ってきたプンプンの対比として、読者目線でプンプンを俯瞰できるようにしたかったのかなと思います。

ハルミン視点でプンプンと言う人物がどのように映ったのかは、読者の感性によって大きく異なる。

単純にここでの感想が、その人の作品の総括になるはずだ。

今日はこんなところにしときます。

最後まで読んでもらってありがとうございました。おやすみなさい。

おやすみプンプン第12巻より

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